理学療法学科の阿部浩明准教授が執筆した研究論文が「Sage Jounals」に公開されました。
【論文概要】
脳卒中後のpusher behavior(lateropulsion with pushing;LP)を呈する患者に関するエビデンスのある有効な治療は現在のところ限られています。近年、歩行ロボットであるLokomatを利用した歩行トレーニングの有効性が複数のRCTsにて報告されています。しかし、本邦では2台のみ設置されておりこの治療の臨床普及は難しい状態です。本邦で普及しつつある歩行ロボットのウェルウォーク(WW)があり、WWがLPの治療において有効な手段になるかを検証するため、長下肢装具(KAFO)を用いた歩行トレーニングと比較してその効果を検証しました。その結果、WW群では歩行距離、歩数が大きく増大し、LPが大きく改善しました。一方,KAOF群では歩行距離、歩数は少なかったものの、同等のLP治療効果を得ることができました。これらの治療効果はLokomatを使用したLPの変化量と同等でした。これらの結果からWWが設置されている施設ではWWの使用を検討し、設置されていない施設であればKAFOを使用した歩行とレーニンングを実施することで高い治療効果が得られることを報告しました。
• Treatment for Lateropulsion in Standard Clinical Practice: A Multicenter Randomized Controlled Trial. Hiroaki Abe, Shingo Ueno, Yohei Kurita, Seiya Tohara, Nobuyuki Murano and Noriko Nagatomo. Neurorehabilitation.
DOI: 10.1177/10538135241296734
URL: https://journals.sagepub.com/home/NRE
研究成果が掲載されました
2025/01/28
理学療法学科