臨床検査学科の丹野大樹助教(共同筆頭著者)らの研究論文が「Journal of Microbiological Methods」に掲載されました。本研究は本学附属病院感染制御部との共同研究になります。
【論文タイトル】
「Evaluation of a nucleic acid amplification system, GENECUBE, for rapid detection of staphylococcal nuc and mecA in blood culture samples
(核酸増幅システムGENECUBEを用いた血液培養検体中のブドウ球菌特異的nuc遺伝子およびmecA遺伝子の迅速検出法の評価)」
【論文概要】
ブドウ球菌属は血流感染や持続性菌血症の重要な原因菌です。特にメチシリン耐性ブドウ球菌(MRS)はβ-ラクタム系抗菌薬が効かずバンコマイシンによる治療が必要になるため、早期の起因菌同定が求められています。しかし、従来の血液培養検査では、菌の同定に少なくとも2日かかり早期に適切な治療ができていないのが現状です。今回、我々は、血液培養検体から1時間以内にブドウ球菌特異的遺伝子を検出する核酸増幅システムGENECUBEを用いて、その臨床的有用性を評価しました。
本手法は、nuc遺伝子、mecA遺伝子ともに従来法と比較して感度が100%で、かつ、従来法で検出できなかったMRSも検出可能であることがわかりました。さらに、血液培養液中に複数菌混在していた場合であっても、本手法は従来法よりも10倍以上高感度にMRSを検出可能なことが明らかになりました。本研究により、GENECUBEを用いた迅速検出法は、血液培養陽性検体中のブドウ球菌特異的遺伝子を迅速かつ正確に検出することが証明され、MRSの早期治療に大いに役立つことが期待されました。
DOI:https://doi.org/10.1016/j.mimet.2024.107063
研究成果が掲載されました
2024/11/13
臨床検査学科