理学療法学科の森下慎一郎教授(共著者)らの論文が「Hematology/Oncology and Stem Cell Therapy」に掲載されました。本研究はブラジル、アメリカ、韓国、イギリス、日本、サウジアラビアなどとの国際共同調査です。

【論文タイトル】
Rehabilitation practices during hematopoietic stem cell transplantation: An international survey
(造血幹細胞移植時のリハビリテーションの実施状況:国際調査)

【論文概要】
 本研究では、国際的に実施されている造血幹細胞移植患者に対するリハビリテーションの実践について評価した。調査は造血幹細胞移植件数の上位10%を占めるがんセンターで造血幹細胞移植を受ける患者のケアに携わるスタッフを対象に実施された。さらに、ラテンアメリカ、アジア、太平洋地域の各国医学協会および登録機関にも電子メールが送付された。18カ国43施設から回答が寄せられた。半数の施設が入院時にリハビリテーション療法の紹介状を提供していた。紹介状は機能低下(84.5%)、転倒の危険性(53.3%)、退院計画(42.2%)のために提供されていた。リハビリテーション療法は、理学療法士(93.0%)、作業療法士(34.9%)、療法助手(14.0%)、言語聴覚士(11.6%)によって実施された。調査対象となった施設の約95%が、客観的な機能評価として、座位から立ち上がり(46.5%)、握力(46.5%)、6分間歩行/歩行速度(いずれも34.9%)などを用いていた。また、治療法の適切性を判断するために、血球数のモニタリングも行われた。リハビリテーションの実施状況は国によって異なったが、ほとんどの施設では、造血幹細胞移植のための入院中に熟練した療法を提供し、客観的評価と患者による評価結果を活用し、治療の安全性を判断するために血球数のモニタリングを行っていた。

URL:https://journals.lww.com/hosct/fulltext/2024/17030/rehabilitation_practices_during_hematopoietic_stem.3.aspx