理学療法学科の森下慎一郎教授らの研究論文が「Quality of Life Research」に掲載されました。
【論文タイトル】
Global quality of life and mortality risk in patients　with cancer: a systematic review and meta-analysis
（がん患者におけるグローバルQOLと死亡リスク：系統的レビューおよびメタ分析）
【論文概要】
　　この系統的レビューとメタアナリシスは、がん患者の死亡リスクに対するグローバルなQOL（生活の質）の影響を、がん種とQOL評価の時点を考慮して検討することを目的とした。
　CINAHL、PubMed/MEDLINE、およびScopusのデータベースを用いて、開始時から2022年12月までの系統的検索を行った。がん患者においてQOLを評価し死亡リスクを検討した観察研究を抽出した。がんの種類およびQOL評価の時点についてサブグループ解析を行った。全体として、グローバルQOLは死亡リスクと有意に関連していた（ハザード比：1.06、95％信頼区間：1.05-1.07；p＜0.00001）。がんの種類に基づくサブグループ解析では、肺がん、頭頸部がん、乳がん、食道がん、大腸がん、前立腺がん、血液がん、肝臓がん、婦人科がん、胃がん、脳腫瘍、膀胱がん、骨軟部組織がん、および混合型がんが死亡リスクと有意に関連していたが、黒色腫と膵がんは死亡リスクと有意に関連していなかった。さらに、グローバルQOLはすべての時点（治療前、治療後、緩和期）で死亡リスクと関連していた；治療前のQOLが最も大きく、治療後のQOLがそれに続いた。これらの知見は、QOLがどの時点においてもがん患者の死亡リスクと関連するという証拠を提供する。これらの結果は、QOLを評価し、どのような段階においてもQOLを改善するための支持的介入が重要であることを示している。

URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s11136-024-03691-3