理学療法学科の阿部浩明教授が責任執筆者である研究論文が公開されました。

【論文タイトル】
Increased trailing limb angle in hemiplegic patients after training with a knee orthosis: A randomized controlled trial.
脳卒中片麻痺者に対する膝装具を用いたアライメント矯正条件での歩行トレーニング後のTLAの増加を検証した無作為割付臨床試験 

【論概概要】
 脳卒中後に片麻痺を呈した症例は歩行可能であっても立脚中に膝が過剰に屈曲するあるいは伸展してしまうなど歩容異常を伴うことが少なくありません。このような歩容では麻痺側立脚中の膝関節角度が適切に保てず股関節も伸展できません。歩行中の麻痺側の股関節伸展角度(TLA)は歩行能力の改善と大きく関わる因子として注目されています。このTLAの拡大を図るために早期から膝関節を固定する装具を用いて膝の関節を固定して歩行練習をすることが有効なのか、それとも患者の歩容を矯正することなく歩行練習を進めることが良いのか、どちらがTLAを拡大する上で有効なのかを明らかにするため、無作為割り付け臨床試験を行い、効果を検証しました。その結果、TLAは膝関節を固定して歩容を矯正すると即時的に改善し、膝装具を装着して歩容を矯正した群は歩容を矯正しない群と比べ有意に3週間後のTLAが拡大したことを報告しました。

• Increased trailing limb angle in hemiplegic patients after training with a knee orthosis: A randomized controlled trial. Shun Ito, Hiroaki Abe, Toru Okanuka, Kosuke Nanka, Takuma Nagasawa, Kazuto Oki, Yoshimi Suzukamo, Shin-Ichi Izumi, Neurorehabilitation. 2024, 54; 485-494. doi: 10.3233/NRE-230372. PMID: 38669489

URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37458050/