理学療法学科の阿部浩明准教授らの研究論文3編が公開されました。これらの論文は全てオープンアクセス論文で閲覧可能です。

■ 臨床家による長下肢装具作製の是非の判断を予測する客観的因子
  大鹿糠 徹, 阿部 浩明, 辻本 直秀, 関 崇志
  支援工学理学療法学会誌 2024 年 3 巻 2 号 p. 111-121

 【論文概要】
 重度の片麻痺者の歩行能力の再建に向けた長下肢装具を使用した歩行練習を進めるにあたり、本人用の長下肢装具を作製すべきか否かの判断に関わる因子を広南病院で進められている装具カンファレンスの大規模なデータを用いて特定することを試みた結果、下肢運動機能、感覚障害、麻痺側下肢支持性、pusher behavior重症度が抽出されたことを報告しました。

URL:DOIhttps://doi.org/10.57302/jatpt.3.2_111


■ 足部可能性を有する長下肢装具を用いた前型歩行トレーニングの実施による実際の退院時の歩行予後と二木によ
  る予後予測指標を用いた際の退院時の歩行自立度との比較
  髙橋 智佳, 阿部 浩明, 佐藤 亘, 梅木 淳
  支援工学理学療法学会誌 2024 年 3 巻 2 号 p. 128-137

 【論文概要】
 ある時期を境に組織的に提供されるようになった長下肢装具を用いた前型歩行トレーニングの効果を調査するために、予後予測指標から得られた歩行自立度を上回るような結果が前型歩行トレーニング提供後に得られるようになっていたかを調査した研究です。調査の結果、予測指標段階では歩行自立困難と判定された症例でも歩行自立に至った症例が多数見られたことを報告しました。

URL:DOIhttps://doi.org/10.57302/jatpt.3.2_128

 
■ 皮質脊髄路および皮質網様体路の損傷を認めた重度片麻痺例に対する長下肢装具を用いた前型歩行練習による理
  学療法経験
  関 崇志, 阿部 浩明
  支援工学理学療法学会誌 2024 年 3 巻 2 号 p. 98-110

【症例報告】
 重度の下肢麻痺を呈し、脳画像所見にて皮質脊髄路・皮質網様体路の損傷が顕著な脳卒中例に対して、歩行練習を前型歩行トレーニングにて実施した結果、随意運動が困難であるにもかかわらず歩行中には明らかな下肢筋活動が出現し、最終的には歩行自立に至り復職を果たした事例について、経過を報告しました。

URL:DOIhttps://doi.org/10.57302/jatpt.3.2_98