診療放射線科学科の宮司典明助教、三輪建太教授、山尾天翔助手らの研究論文が「Annals of Nuclear Medicine」に掲載されました。

論文タイトル:「Impact of irregular waveforms on data‑driven respiratory gated PET/CT images processed using MotionFree algorithm (MotionFreeアルゴリズムを用いたデータ駆動型呼吸同期PET/CT画像における不規則な呼吸波形の影響)」

【研究概要】
 本邦において死亡率第1位となっている肺がんなど悪性腫瘍の治療方針決定に陽電子放出断層撮像(PET/CT)検査が利用されている。しかし、胸腹部領域は呼吸性移動による影響のため、数分間データを収集するPET/CT検査では画質に暈けが生じる。この呼吸性移動対策として、外部機器を必要とせずにPETデータから直接的に体内臓器の動きを補正できるデータ駆動型呼吸同期PET撮像(data-driven gating, DDG)が導入されているが、各被験者の呼吸状態は一定でなく、既存のDDGは振幅や形状などが異なる不規則な呼吸波形に適応できない可能性がある。そこで本研究では、DDGアルゴリズムを用いたMotionFreeによる呼吸波形を捉える正確さと、正常および不規則な呼吸運動による影響を検証した。MotionFreeを用いることで、正確に呼吸波形を推定しつつ、PET画像の定量精度の向上に寄与したが、不規則波形は正常波形より定量精度の改善が軽微であった。MotionFreeの特性を活かした最適なパラメータを使用することで、MotionFreeの特性を最大限活用でき、被験者の呼吸状態に関わらず一定以上のPET画像の画質と定量性を担保できる可能性がある。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37796394/