理学療法学科の星真行助教、神先秀人教授らの研究論文が「日本予防理学療法学会雑誌」に掲載されました。

 地域在住高齢者における座位バランス低下は立位バランス低下や転倒要因と関連するか
 日本予防理学療法学会雑誌2(1): p24-31, 2023

【研究概要】
 本研究論文は、地域在住高齢者における座位バランス低下と立位バランス低下や転倒要因との関連を明らかにしたものです。歩行可能な高齢者50名を対象に、立位・座位での静止時の圧中心点(COP)の総軌跡長、前後左右へのCOP最大移動距離、最大歩行速度、長座位体前屈、筋力を測定しました。転倒群では非転倒群より有意に身体機能が低下しており、COP最大移動距離は座位と立位において相関が認められ、前後より側方でより高い相関を示しました。また、立位・座位バランス低下は、筋力低下とは独立した因子であることが明らかとなりました。座位バランス低下は、転倒要因と直接的に関連しているとはいえないが、姿勢や立位バランス機能と関連することを示唆しています。これらの知見より、介護予防の運動として、座位での動的バランスであるリーチ動作運動を取り入れることによって、姿勢や立位バランス機能向上に寄与することも可能です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jptp/2/1/2_JPTP-D-22-00013/_article/-char/ja