臨床検査学科の義久精臣教授(共著者)らの研究論文が「CHEST」に掲載されました (IF=11.393)
論文タイトル:
Multimodal Telemonitoring for Weight Reduction in Patients With Sleep Apnea: A Randomized Controlled Trial
(睡眠時無呼吸症候群患者における多面的遠隔モニタリングによる体重減少効果:ランダム化比較試験)
睡眠時無呼吸症候群に対する標準的な治療として、持続気道陽圧(continuous positive airway pressure: CPAP)療法が広く普及しており、近年遠隔モニタリング機能も用いられるようになった。遠隔モニタリングはCPAPの使用状況、マスクリークなどの問題点を早期に発見し、CPAP使用の忍容性や継続率を改善するために有用である。一方、体重や血圧管理、活動性の観察における付加的な活用も期待されているが、その有用性は明らかではない。本研究では、CPAP患者における多面的遠隔モニタリングを活用した指導による体重・血圧・活動性の改善効果に関して検証した(多施設ランダム化比較試験)。
CPAP遠隔モニタリングを使用する肥満合併睡眠時無呼吸症候群患者168名(body mass index ≥25 kg/m2: 平均31.7 kg/m2)を対象とし、CPAP忍容性維持のための通院および遠隔指導を行った(通院; 治療前、3カ月後、6カ月後:遠隔; 1、2、4、5カ月後)。CPAP使用状況に加え、体重・血圧・歩数に関する遠隔モニタリングを行った。通常モニタリング群(84/168名)では、CPAP指導のみを行い、多面的モニタリング群(84/168名)では、CPAP指導に加え、カロリー制限や運動に関するシンプルな指導(15分以内)を併せて実施した。
通常モニタリング群で25.0%(21/84名)に体重減少(=3%以上の体重減少)を認めた。一方、多面的遠隔モニタリング群で39.3%(33/84名)に体重減少を認め、通常モニタリング群より体重減少が有意に高率であった(P=0.047)。また、多面的モニタリング群では通常モニタリング群に比して、一日の歩数が有意に高値であった(4767 vs/ 3592歩数/日)。一方、職場・家庭血圧に関して両群間で有意差を認めなかった。
以上から、多面的遠隔モニタリングを用いた指導による肥満合併CPAP使用患者の体重減少効果が示唆された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35998706/
Multimodal Telemonitoring for Weight
Reduction in Patients With Sleep Apnea
A Randomized Controlled Trial
Kimihiko Murase, MD; Takuma Minami, MD; Satoshi Hamada, MD; David Gozal, MD; Naomi Takahashi, MPH;
Yoshinari Nakatsuka, MD; Hirofumi Takeyama, MD; Kiminobu Tanizawa, MD; Daisuke Endo, MD; Toshiki Akahoshi, MD;
Yasutaka Moritsuchi, AS; Toru Tsuda, MD; Yoshiro Toyama, MD; Motoharu Ohi, MD; Yasuhiro Tomita, MD;
Koji Narui, MD; Naho Matsuyama, MD; Tetsuro Ohdaira, MD; Takatoshi Kasai, MD; Tomomasa Tsuboi, MD;
Yasuhiro Gon, MD; Yoshihiro Yamashiro, MD; Shinichi Ando, MD; Hiroyuki Yoshimine, MD; Yoshifumi Takata, MD;
Akiomi Yoshihisa, MD; Koichiro Tatsumi, MD; Shin-ichi Momomura, MD; Tomohiro Kuroda, PhD;
Satoshi Morita, PhD; Takeo Nakayama, MD; Toyohiro Hirai, MD; and Kazuo Chin, MD
研究成果が掲載されました
2023/03/29
臨床検査学科