作業療法学科の藤田貴昭准教授と五百川和明教授の研究論文が「Medicine」誌に掲載されました。これは郡山市との共同研究です。

Prediction tool for disability progression and mortality in older adults eligible for Japanese long-term care insurance: Koriyama study. Medicine 102(9):p e33103, March 03, 2023.
(日本の介護保険対象高齢者における障害進行と死亡率の予測ツール:郡山市における研究)

【研究概要】
 本研究の目的は、介護保険認定を受けた高齢者の有害事象(要介護度重度化や死亡)を予測する簡便なツールを作成することです。郡山市民7,706名の匿名化データの分析を行い、初回の認定調査票の結果から1年以内の有害事象発生を予測する決定木の作成を試みました。結果、要支援1・2の方では、「日常の意思決定」が“できる”以外で、かつ「薬の内服」が“介助されていない” 以外であった者では、その64.7%が1年以内に有害事象が発生しました。要介護1・2の方では、「金銭の管理」が“全介助”で、かつ「排便」が“介助されていない以外”の場合、58.6%の方が1年以内に有害事象が発生しました。この知見は、有害事象発生リスクの高い対象者を抽出するための簡便なツールになり得ると考えられます。