保健科学部臨床検査学科の丹野大樹助教の筆頭著者論文が「Microbiology Spectrum」に掲載されました。

Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization–Time-of-Flight Mass Spectrometry with
Time-of-Flight Peak Analysis for Rapid and Accurate Detection of Group B
Streptococcus in Pregnant Women
(MALDI-TOF MSのピーク解析を用いた妊産婦の高精度迅速GBS検出法)

【研究概要】
 Streptococcus agalactiae (Group B Streptococcus:GBS)は、10~30%の妊産婦の膣や便中から検出され、母子垂直感染により新生児に重症GBS感染症を引き起こすことが知られています。その重篤性からすべての妊婦に対してGBSスクリーニング検査の実施が推奨されていますが、偽陰性報告がしばしばみられており、より感度の高い検査法が求められています。今回、我々は、高感度で迅速な検査法の開発を目的として研究を行い、質量分析装置(MALDI-TOF MS)を用いたGBSスクリーニング検査法を世界で初めて報告しました。
本研究は、MALDI-TOF MS単独でのスクリーニング検査法にピーク解析を組み込むことでGBS検出感度を飛躍的に向上させることを明らかにしました。本法は、従来法に比べGBSの検出率が高く、24時間以内に結果を報告できる点で優れています。MALDI-TOF MSは、近年、世界中の微生物検査分野で盛んに導入が進んでおり、今後、本法がGBSスクリーニング検査の新たな手法の一つとなることが期待されます。

福島県立医科大学研究成果情報:
https://www.fmu.ac.jp/univ/kenkyuseika/research/220512.html
DOI:https://doi.org/10.1128/spectrum.01732-21