保健科学部理学療法学科の阿部准教授らのグループの研究論文が「Cortex」に掲載されました。

「Interaction between spatial neglect and attention deficit in patients with right hemisphere damage(右半球損傷例における無視症状と注意障害の相互関係)」

【研究概要】
 本研究では、174名の脳卒中患者を対象として、半側空間無視の主要な構成要素である『注意機能の障害』と『空間無視』の関連性について独自開発の評価手法を用いて検討し、半側空間無視の回復過程の特徴づけを試みました。患者群は、注意障害と空間無視の状態に応じて6つの異なるサブタイプに分類されることを見出し、発症後の時間経過に伴う回復プロセスがこの6つのサブタイプ間の推移によって説明できることを明らかにしました。さらに注意障害と空間無視に関連する脳領域の特定を行った結果、頭頂葉、側頭葉、前頭葉及びこれらを相互連絡する神経経路(上縦束)で構成される『視空間性注意ネットワーク』内の異なる領域が特定されました。

DOI: https://doi.org/10.1016/j.cortex.2021.03.036