臨床検査学科の丹野大樹助教(第二著者)らの研究論文が「Ozone : Science & Engineering」に掲載されました。本研究は福島県衛生研究所との共同研究になります。

【論文タイトル】
「Antiviral Effects of Ozonated Water for Handwashing Against SARS-CoV-2 Omicron Variant Using the E1052-20 Test Method of the American Society of Testing Materials International (E1052-20試験法によるSARS-CoV-2オミクロン変異株に対するオゾン水手洗いの抗ウイルス効果)」

【論文概要】
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染対策には、一般的にアルコールベースの手指消毒薬が推奨されています。しかし、アルコール製剤は皮膚障害を引き起こす可能性があるため、代替品として他の手指衛生剤が使用される場合があります。本研究では、アルコール製剤の代替品としてオゾン水に着目し、SARS-CoV-2オミクロン変異株に対する抗ウイルス効果を米国材料試験協会のE1052-20試験法を用いて検討しました。各濃度のオゾン水(0.4, 1.0, 4.0 ppm)を5秒間あるいは15秒間ウイルスと曝露させ対照群(PBS)と比較した結果、オゾン水処理群はすべての濃度と時間で感染性ウイルスを99.999%以上減少させることが明らかになりました。これらの結果から、オゾン水によるSARS-CoV-2のウイルス不活化は、少なくとも0.4 ppmの濃度で5秒間曝露させるだけで十分であり、オゾン水はSARS-CoV-2感染予防の代替手指衛生剤として効果的に使用可能なことが示唆されました。

DOI:https://doi.org/10.1080/01919512.2024.2401087