令和6年9月7日に弘前市にて行われました「第9回福島原発事故による周辺生物への影響に関する勉強会」にて、総合科学教育研究センターの有吉健太郎准教授が「放射線の⽣態系への影響〜⽣態系においてバイスタンダー効果は⾒られるか?」と題して講演を行いました。
 講演では、野生動物(個体 / 細胞)を用いた放射線による「バイスタンダー効果」(放射線を浴びた細胞/個体が、周囲の放射線を浴びていない細胞/個体に影響を及ぼす不思議な現象)の研究の進捗を紹介しました。野生動物を用いることで、バイスタンダー効果の進化的保存性を検証するとともに、生態系の中においても、放射線を浴びた生き物が他の生き物にシグナルを送っている可能性を議論しました。
 福島原子力発電所の事故から13年経過し、この「福島原発事故による周辺生物への影響に関する勉強会」も9回目を迎えました。その間、陸域、水域、他様々な低線量放射線の生物影響が徐々に明らかとなってきましたが、依然、未知の課題は多く残されているという印象を受けました。

URL:https://irem.hirosaki-u.ac.jp/?p=4030