理学療法学科の森下慎一郎教授(責任著者)、作業療法学科の藤田貴昭准教授らの研究論文が「Nutrition and Cancer」に掲載されました。
論文タイトル
「Is Phase Angle Useful in Screening for Sarcopenia in Patients with Hematologic Malignancies?(血液がん患者におけるサルコペニアのスクリーニングにPhase Angleは有用か?)」
【論文概要】Phase Angle
 本研究の目的は、サルコペニアとPhase Angle(PhA)の関係を調べ、PhAのカットオフ値が血液がん患者におけるサルコペニアの同定に使用できるかどうかを検討すること。研究対象は、化学療法のために入院し、運動療法のためのリハビリテーションを受けている血液がん患者108人である。サルコペニアの診断基準は、Asian Working Group for Sarcopenia 2019に従って決定した。筋力、持久力、体組成(PhAを含む)を評価した。サルコペニアとPhAとの関連を調べ、カットオフ値を決定するために、ロジスティック回帰分析および受信者動作特性(ROC)曲線分析を行った。サルコペニアは参加者の17.6%に認められた。PhAはサルコペニアと有意に関連していた(p<0.01)。曲線下面積は男性で0.84、女性で0.87であり、カットオフ値は男性で4.75°(感度69%、特異度83%)、女性で3.95°(感度78%、特異度85%)であった。この結果は、非侵襲的、客観的かつ迅速に測定できるPhAが、血液がん患者におけるサルコペニアのスクリーニングツールとして使用できることを示唆している。

URL:https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01635581.2023.2283933