理学療法学科の森下慎一郎教授(共著者)の研究論文が「Integrative Cancer Therapies」誌に掲載されました。

論文タイトル:Neurological Outcomes of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy in Patients With Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis
がん患者における化学療法誘発性末梢神経障害の神経学的転帰:系統的レビューとメタアナリシス

【論文概要】
 この系統的レビューおよびメタアナリシスは、がん患者において化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)が転倒のリスクおよび身体機能に影響を及ぼすかどうかを明らかにすることを目的とした。1950年1月~2022年4月に発表された論文について、CINAHL、Scopus、PubMedの各データベースで文献検索を行った。7名のレビュー著者が所定の適格基準を用いて研究を検索し、データを抽出し、質を評価した。9件の研究が解析に含まれた。CIPN患者はそうでない患者よりも転倒リスクが有意に高かった(リスク比=1.38、95%信頼区間[CI]=1.18-1.62)。CIPN患者では、握力が低く、5回椅子立ち時間が長く(SMD = 0.56、95%CI = -0.01~1.17、P = . 05)、タイムアップゴーテストが悪く(SMD = 0.79、95%CI = 0.41~1.17、P < 0.0001)、Fullerton Advanced Balance scaleの平均スコアの低下していた(SMD = -0.81、95%CI = -1.27~-0.36、P = 0.005)。歩行速度(P =0.38)およびActivities-specific Balance Confidence Scale score (P = 0.09)には、CIPNの有無による有意差はみられなかった。この系統的レビューとメタアナリシスにより、CIPN患者は転倒しやすく、バランス機能と筋力が低下していることが示された。

URL:https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/15347354231185110