臨床検査学科の松田将門助教(筆頭著者、責任著者)らの研究論文が「Clinical Laboratory」誌に掲載されました。

論文タイトル:
Effect of Rapid Centrifugation Using High Centrifugal Force on Procoagulant Activity in Plasma Samples
(検体の高速遠心処理が血漿中のプロコアグラント活性に及ぼす影響)

【研究概要】
 出血や血栓などの病態を調べる血液検査に「血液凝固検査」という検査があります。この検査では、血液検体を遠心処理して得られる血漿を使い、血漿に検査試薬を添加して、血漿が固まるまでの時間(凝固時間)を測ります。
 遠心処理の方法は、海外や日本のガイドラインで定められています。しかし、日本の多くの医療施設ではこのガイドラインが順守されていません。検査結果を早く報告してほしい、という要望に応えるために、ガイドラインの規定よりも高速で遠心処理している施設が少なくありません。
 本研究では、高速遠心が血漿にどのような影響を及ぼし、また検査結果にどのような影響を及ぼすのか調べました。結果、高速遠心すると血漿が「凝固しやすい状態」になり、ガイドライン通りに遠心した血漿よりも凝固時間が短くなりました。この結果から、改めて、患者さんの病態を正しく評価するにはガイドラインに従うことが重要だとわかりました。

 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36378004/