理学療法学科の森下慎一郎教授が筆頭著者を務めた研究論文が「 Advances in Experimental Medicine and Biology 」に掲載されました。
Perceived Exertion Correlates with Multiple Physiological Parameters During Cardiopulmonary Exercise Testing
(心肺運動負荷試験における自覚的運動強度と複数の生理学的パラメーターとの相関)

【研究概要】
本研究の目的は、健康な成人男性を対象に、近赤外線分光法(NIRS)による下肢の筋酸素化ヘモグロビン(O2Hb)および脱酸素化ヘモグロビン(HHb)レベルとBorgスケールスコアの関係を調べ、仰臥位心肺運動負荷試験(CPET)における負荷量、心拍数(HR)、酸素摂取量(VO2)、分間換気量(VE)を検討することである。15名の健康な男性(平均年齢20.7±0.6歳、平均身長172.1±5.7cm、平均体重61.7±6.6kg)がこの研究に参加した。仰臥位CPETの各分時および試験終了時に心肺機能およびNIRSパラメータを評価した。Borgスケールスコアは仰臥位CPET中の負荷量、HR、VO2、VEと有意に相関した(Rs = 0.86-0.94, p < 0.05)。さら
に、Borgスケールスコアは仰臥位CPET中の下肢筋O2HbおよびHHbレベルと有意に相関した(それぞれRs = -0.6、0.8、p < 0.05)。また、下肢筋O2HbおよびHHb値は負荷量と有意な相関があった(それぞれR=-0.62および0.8、p<0.05)。Borgスケールスコアは、仰臥位運動時の自覚的運動強度、全身疲労、局所筋疲労の評価に利用できる可能性がある。

Advances in Experimental Medicine and Biology
https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-031-14190-4_69