臨床検査学科の義久精臣教授らの研究論文が「Circulation Journal」に掲載されました。(責任著者)

Simplified Academic Research Consortium for High Bleeding Risk (ARC-HBR) Definition Predicts
Bleeding Events in Patients With Heart Failure
(簡易版ARC-HBR基準は心不全患者の出血イベントを予測する)

 論文はこちらから閲覧可能です。
 DOI: https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/86/1/86_CJ-21-0686/_article

【研究概要】
 経皮的冠動脈インターベンションを受ける冠動脈患者において、Academic Research Consortium for High Bleeding Risk (ARC-HBR)基準は出血イベント予測能を持つことが最近報告された。本研究では、心不全患者において簡易版ARC-HBR基準が高出血リスク患者を同定することができるのか調査しました。
 2,437名の心不全入院患者を簡易版ARC-HBR基準により高出血リスク群2,026名(83.1%)と非高出血リスク群411名(16.9%)に分類した。高出血リスク群はより高齢で冠動脈疾患の合併は低率であった。カプランマイヤー解析では高出血リスク群にて退院後の出血イベント(出血性脳卒中または消化管出血)発生が高率でした(log-rank P < 0.001)。Fine-Grayモデルでは簡易版ARC-HBR基準は心不全患者の出血イベントと関連していました(ハザード比2.777、95%信頼区間1.464–5.270、P = 0.001)。
 以上から簡易版ARC-HBR基準は心不全患者における出血イベントの予測に有用であることが明らかとなりました。なお、本研究は、本学循環器内科学講座の教員との共同で実施しました。

 福島県立医科大学研究成果HP:
 https://www.fmu.ac.jp/univ/kenkyuseika/research/20211224satouyu.html