理学療法学科の阿部浩明准教授が責任執筆者となる研究論文が公開されました。

 脳卒中後に重度片麻痺を呈した症例に対して長下肢装具を用いた歩行再建のための運動療法が行われますが、本人用の長下肢装具を作製する際には各症例の運動機能を評価し予後を推定し作製の必要性を慎重に判断して理学療法を進める必要があります。しかし、症状が劇的に変化する急性期におけるその判断は非常に難しく長下肢装具を作製すべきかどうかの判断に迷うことも少なくありません。この研究では急性期の10病日に長下肢装具が必要であった症例を対象として、30病日の長下肢装具の継続的な必要性の有無をアウトカムとした場合に、関連する因子は何であるかを追求した研究です。この研究では下肢筋力をハンドヘルドダイナモメーターにて正確に測定することで有益な指標になるだろうと仮説を立て、予測因子になるかを調査しました。麻痺側膝関節伸展筋力が30病日の長下肢装具の継続使用の必要性を高い精度で予測できる因子であることを報告しました。

Lower limb muscle strength of the affected side in stroke patients is an accurate predictor of the need for a KAFO. Seki T, Abe H, Tsujimoto N, Okanuka T. NeuroRehabilitation. 2023 Jul 13. doi: 10.3233/NRE-230057. PMID: 37458050

URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37458050/