臨床検査学科の松田将門助教(筆頭著者、責任著者)、小川一英教授らの研究論文が「Research and Practice in Thrombosis
and Haemostasis」誌に掲載されました。

論文タイトル:
Performance characteristics of 5 numerical indexes in mixing test interpretation under coexistence of lupus anticoagulant and coagulation factor deficiency
(ループスアンチコアグラントと凝固因子欠乏の併存に対するクロスミキシング試験の結果判定における5つの数値指標の性能特性)

【研究概要】
 ループスアンチコアグラント(LA)は血栓症のリスク因子です。凝固因子欠乏は出血が止まりにくい原因の一つです。LAと凝固因子欠乏は、どちらも血液凝固時間を延長させます。クロスミキシング試験は、凝固時間延長の原因として、LAと凝固因子欠乏を鑑別する検査です。
 クロスミキシング試験では、検査結果の判定方法が複数あるので、方法により判定結果が異なる可能性があります。また、クロスミキシング試験はLAと凝固因子欠乏を鑑別することが目的ですが、両方とも存在する場合にどのような判定結果になるのか、実験的にほとんど調べられていません。
 本研究では、LAと凝固因子欠乏の程度をそれぞれ段階的に調製した複数のサンプルを用いてクロスミキシング試験を実施し、国内外で用いられている5つの判定指標で結果を評価し、各指標の特徴を明らかにしました。加えて、クロスミキシング試験の判定結果に応じてその後の精査で用いる適切な検査手順を明らかにし、LAと凝固因子欠乏が両方とも存在しても確実に両者を検出する検査戦略を提案しました。

 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36891278/