教員からのメッセージ
地域理学療法学、物理療法学、訪問リハビリテーション、電気刺激療法、足部形態
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自然風景と想い出
2023/12/06こちらの写真は、紅葉も終わり閉山間近に訪れた場所で、皆さんと同じ学生の頃に初めて目にした風景です。学生時代を過ごした街並みは随分と変わりましたが、山並みや川の風景は変わることがありません。福島も豊かな自然に囲まれています。学生時代を過ごす皆さんにとって、福島の自然風景が楽しい想い出となることを願っています。
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看護覚え書
2022/11/02大田仁史先生の御著書「老い方」革命-新しい介護のはじまり(講談社)に、以下の文章がございます。
イギリスの看護婦(看護師)、ナイチンゲールは『看護覚え書』という名著の中で、看護婦について「自分が体験したことのない気持ちを感じ取る感性のない者は看護婦には向かない」とはっきり書いています。…(略)…看護師だけでなく、医師や介護職でも同じ。弱い立場の人を相手にするすべての仕事にいえることだと思います。
この文章が、強く印象に残っており、紹介いたします。『看護覚え書』を開きますと、医療職としての立ち居振る舞いについても、参考になることが書かれています。
こちらの本は、光が丘キャンパスの図書館に所蔵されており、借用しました本は、多くの方々の手を渡ってきたように感じました。本の題名から、福島駅前キャンパスの学生の皆さんには、無関係のことと感じられるかもしれませんが、機会がありましたらご覧になってください。 -
電気刺激の活用
2021/11/04理学療法の術として、運動療法と物理療法があり、さらに物理療法の一つに電気刺激療法があります。“電気刺激”と聞きますと、“痛い” “怖い”など想像するかもしれません。授業で、はじめて電気刺激を経験する学生から、刺激に慣れていないことや、刺激強度を過度に強くするあまりに、悲鳴(?)が聞こえることがあります。しかし、電気刺激療法は、目的に応じた適切な刺激を生体に与えることにより、治療効果をもたらします。電気刺激の歴史は古く、ヒポクラテスの時代から用いられていたそうです。最近では、幅広い領域で適応と効果が報告されています。月経困難症に対して、仙骨孔直上の皮膚表面に電気刺激を行い、下腹部痛の緩和が認められました。
興味がある方は下記URLの論文をご覧ください。
Journal of Rehabilitation Medicine - Abstract - Analgesia by sacral surface electrical stimulation for primary dysmenorrhoea (medicaljournals.se)
https://www.medicaljournals.se/jrm/content/abstract/10.2340/20030711-1000027 -
おとなのひとにいってほしかった24のこと
2021/02/24こちらは、数年前に出遇った本のタイトルです。風見鶏が、大人の人に言って欲しかった24のことが書かれています。そのなかに、以下の一節があります。
「出遇いは二度とない」といってほしかったです。わたしのおしりがまだ青かったころ出遇いが大切とは考えてはいませんでした。なぜなら、出遇いなどは毎日何度もしていたからです。(略)しかし、自分のための本当に大切な出遇いというものは、何度もあるものではなかったのでした。たくさんある出遇いのなかから、自分のための出遇いを見逃さないためには、出遇いに気づく感性を日頃から磨いておかなくてはならなかったのでした。…
とあります。進学や就職によって、環境が変わる時には、沢山の出遇いがあります。今までの出遇いを大切に、そして、皆さんに春からかけがえのない出遇いがあることを願っています。 -
小さくても大切な足のゆび
2020/11/04高齢者にとって足部の変形や痛みは、転倒の危険性を高めると報告されています。転倒は、寝たきりに繋がりかねないため、避けなければならない事故です。転倒の要因の一つである足部の変形に外反母趾(がいはんぼし:足の親指が人差し指の方に曲がっている状態)があり、年齢を重ねるとともに女性に多くみられます。若い女性であっても、外反母趾によって足趾把持力(そくしはじりょく:足の指で掴む力)や歩くときの足底の圧力に違いがあり、足趾把持力の強さと最大一歩幅(前に一歩踏み出す距離)には関係性が認められます。女性は靴の影響も受けやすく、若い頃から足部の変形に気を付けることが大切です。
興味がある方は下記URLの論文をご覧ください。
https://jfootankleres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13047-020-00411-1#citeas -
心が動けば体が動く
2020/08/26理学療法士として行政に従事した経験があり、それをきっかけに地域理学療法学を専門としております。病気や怪我、加齢によって、生活において活動の制限や参加の制約のある方々に、その人が望むような生活ができるように、運動や動作の障害となっている原因を把握し、運動方法や環境整備の提案を通じて支援します。奉職して間もない頃、“心が動けば体が動く”という言葉を教えていただきました。体が動くようになると、生活が広がります。その逆も然り、体が動くようになると、心が動き生活が広がることもあります。今でも、この言葉を大切にしています。理学療法士として、一人ひとりの生活の再建に何ができるか、一緒に考えましょう。