教員からのメッセージ
輸血・移植免疫学、臨床検査学、認知症関連
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残暑厳しき2024
2024/08/282024年夏はパリオリンピック・パラリンピックも開催され、スポーツを通じたたくさんの感動に包まれた夏となっています。わたしは開会式を徹夜で視聴するところから始まり、リアルタイムで応援をしたく、寝不足が続いているところです。
お盆も過ぎ、暦はすでに秋であるのにもかかわらず、この残暑にはうんざりしている方も多いと思います。わたしはもともと福島市に生まれ育っているため、盆地の蒸し暑さは慣れているのですが、近年の暑さからわたしは、「わたしが幼い頃ってこんなに暑かったっけ?なんだか春と秋が短い気がする。」と感じています。そして、昔、映画館で鑑賞した『THE DAY AFTER TOMORROW』という映画のことを思い出しました。この映画は地球温暖化がひとつのテーマになっています。そして、突然、大都市に巨大な雹が降り、ハリケーンが起こり、大洪水となります。その頃はハラハラとしてその映画を鑑賞し、ダイナミックな映像に圧倒され、その映画はまさかの世界だったのです。それから20年たった近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯などの言葉が当たり前のワードとしてニュースで話題となっています。現代において、『THE DAY AFTER TOMORROW』の世界が“まさかの世界”ではないのではないか、と危惧しています。わたしにとっては、“災害時にいったい自分は何ができるのかな。今、自分は何ができるのかな”、と考える夏でもありました。 -
臨床検査技師を育てるということ
2023/06/28今回掲載した写真は、昨年度末で閉校となった福島県立総合衛生学院から頂きました感謝状です。気付けば、わたしは、そこで15年間弱、非常勤職員として、臨床検査学科の講義や実習に携わっていました。それによって頂けた“かたちあるもの”です。大変有り難く思っております。
これとは、また別の実感として、先日、臨床検査技師を養成する仕事に携わってきたことによって得た“幸せ”を感じることがありました。それは、5月27日~28日に会津若松市で行われた福島県臨床検査技師会主催の福島医学検査学会に参加した時の出来事です。総合衛生学院の最後の卒業生となった新人臨床検査技師から学会場で声をかけて頂き、彼女の新生活について触れることができました。そして、なんと言っても、コロナ下からの解除となり、情報交換会で会津の美味しい日本酒を頂きながら、彼女の臨床検査技師としての将来像について語り合うことができました。そして彼女から在学中でのわたしとの出逢いについて、感謝の言葉を頂きました。。。
わたしは、学生教育と医療人となってからの教育は、連携していることが重要であると、いつも感じております。本学部のみんなもそう遠くない未来に、彼女のように学会へ参加し、わたしたちと同じ目線で夢を語ることが出来るようになるのかなぁと、期待を抱いています。 -
2021年福島市に初雪が降った日の出来事
2022/03/23わたしは福島市に生まれ育ち、学生時代を他県で過ごし、今は福島市に在住しています。出勤には公共バスを利用しているのですが、昨年、福島市に初雪が降った日の朝、「さて、出かけよう。」と、バスの定期券を探すと、どこにも無いのです。本当に焦ってしまい、どこで落としたのかも全く記憶になく、警察署に電話をしました。すると、担当の方から折り返し連絡があり、ある交番にわたしの定期券が届いていると。そこで、急いで受け取りに行きました。交番の方が、「今朝6時半頃に届きました。雪に埋もれていたので、綺麗に掃除しておきましたよ。クリスマスプレゼント!」と、言って渡してくれました。わたしは、「ありがとうございます。本当に助かりました。届け主の方は?」と、聞き返しました。すると、「届け主の方は、ご本人に無事、この定期券が届いてくれれば良いのです。わたしの所在は知らせないでください。と言っていました。」とのお話しでした。わたしは、人の温かさに触れ、ありがたく、心が洗われたような気持ちになりました。
医療において、臨床検査技師は、患者さんのI.D.とお名前、患者さんから採取された検体に向き合うことが多く、ご本人に会う機会が少ない検査分野もあります。わたしにとってこの日は、顔の知らないわたしの定期券の拾って下さった方、そして交番の方への感謝から、臨床検査技師であるわたしは、検体の先に、病気を抱え、戦っている患者さんがいる事を忘れず、真摯に自分の専門分野に向き合う事で、臨床検査を通じ、医療に貢献し、きっと、その先に患者さんの笑顔があることを信じて頑張りたいと、改めて強く心に誓った特別な日となりました。 -
「百聞は一見にしかず」には続きがある
2021/03/17「百聞は一見にしかず」 これは 「人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見る方が確かでよく理解できる」 事を意味し、多くの方はこのことわざを一度は耳にしていることだろうと思います。しかし、これには続きがあることをご存じでしょうか?先日、ネット記事で知り得たのですが、次のように続くのです。「百聞は一見にしかず 百見は一考にしかず 百考は一行にしかず 百行は一果にしかず 百果は一幸にしかず 百幸は一皇にしかず」、これは簡単に言えば 「聞くだけではなく、実際に見ないとわからない 見るだけでなく、考えないと意味がない 考えるだけでなく、行動するべきである 行動するだけでなく、成果を出さなければならない 成果をあげるだけでなく、それが幸せや喜びにつながらなければならない、、、」ということで、“私達は日々何のために努力をしているのか?”との疑問に対する答えであるような、また、これから医療について学んでいく学生の皆さんへの“励ましの言葉”となるようなことわざなのではないかと感じております。
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“出会い”と“出逢い”
2020/11/18皆さんはこれまで、たくさんの人たちと出会い、お互いに影響し合いながら歩んで来られたと思います。わたしも多くの方々と出会い、支えられながら、毎日を送っています。振り返ってみると、たくさんの人たちの顔が浮かびます。これからわたしたちと新生活を迎える皆さんは、大きな希望と夢を持って、次のステップへ進んでいきます。ここで出会うのは、将来同じ医療という場所で協働していく仲間達です。大学生活で充実した時間を過ごし、夢を掴むための学修と経験を重ね、生涯にわたる“出逢い”を大切にし、豊かな人生を築いてください。医療は決してひとりで成り立つものではありません。それぞれのプロフェッショナルが良好なコミュニケーションをとり、協力できれば大きな利益をもたらします。この魔法のようなスキルを、医療現場では「チーム医療」と呼びます。厳しく、大変な時期があっても、思い返したときに、たくさんの笑顔に包まれる、そんな学生生活を送れるよう、サポートします。一緒に頑張りましょう!
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生きているって本当に素晴らしい!
2020/09/02わたしは幼い頃、朝顔や露草から色水をつくったり、子ども用の顕微鏡で小さいものをみたり、天体望遠鏡で夜空を眺めることが好きでした。高校に入っても理科好きで卒業する時に、臨床検査技師を目指せる大学を希望し、臨床検査技師として病院業務や研究をしながら大学院へと進みました。これからはわたしと同じように、臨床検査技師を目指す皆さんとともに、多くの経験を重ねながら、お互いに成長していきたいです。皆さんは血液型が何種類あるのか知っていますか?よく知られているABO式血液型のほかにも、赤血球の表面には多くの型が存在します。また、自己と非自己を認識する免疫に重要な役割を持つ白血球型も存在します。このような生命に関わるたくさんの知識を得ることで生きていることの素晴らしさも感じ、医療を通じ社会貢献できるのが、わたしたちの仕事の魅力です。臨床検査技師を目指してみませんか?