教員からのメッセージ
放射線科学、磁気共鳴画像、脳機能イメージング
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1錠?2錠?
2024/02/21薬の錠剤を飲むときに、1回1錠なのか1回2錠なのか分からなくなったことはありませんか?私は普段あまり薬を飲まないので花粉が飛ぶ季節や何かの病気をしたときに錠剤を飲むときにいつもどっちだったか忘れてしまいます。
薬が入っていた袋を見れば分かるのですが見ないでも分かる方法はないものかと考えてみました。こんな方法はいかがでしょうか?
1錠のときは必ず縦に錠剤を取り出す(写真の左)
2錠のときは必ず横に錠剤を取り出す(写真の右)
そうすると錠剤が抜けた形でどっちか分かります
えっ?一番最初はどうするかって?
最初はちゃんと袋を見て確認しましょうー
こういうちょっとした生活の知恵を思いついたときって嬉しいですよね。ちょっとだけ研究に通ずるものを感じます。 -
医療現場とドラマ&映画撮影現場の共通点
2023/04/19「劇場版ラジエーションハウス」の公開から早1年が経とうとしています。漫画原作から始まりドラマと映画制作にスーパーバイザーとして携わらせていただき多くの貴重な経験をさせていただきました。その中でドラマや映画の撮影現場を見ていて、医療現場に通ずる部分を多く感じました。(写真は劇場版ラジエーションハウス限定試写会にて)
撮影現場にはとても多くの職種の方々が関わっています。プロデューサー、スポンサー、監督、助監督、映像スタッフ、音声スタッフ、照明スタッフ、美術スタッフ、スタイリスト、そして彼らを全般的に支えるアシスタントプロデューサー、さらには私たち医療監修メンバー、他にも多くの職種の方々が関わり1つの作品を作っていきます。ドラマや映画制作の中心になっているのは他でもなく監督です。他のスタッフは監督のイメージする映像を撮り視聴者に届けるために昼夜を問わず惜しみない準備を日々繰り返します。それぞれが独立して専門技術を提供しているなかでそこには見えない強い信頼関係があり、お互いを尊重する姿がありました。そしていずれも相当な体力と気配りを要する職種でどれ一つ欠けても作品は成立しません。
その姿は医療現場に非常に似ていて、学ぶべきことも多いなと現場で仕事を一緒にさせてもらい強く感じました。医療の中心は言うまでもなく医師です。コメディカルと呼ばれる我々診療放射線技師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、事務員などなどは、医師が目指す治療を行うために縁の下で日々技術と知識を研鑽し患者に正確で適切で安全な医療を届けます。現代医療は多くの職種のスキルを統合させた医療であるため、そこには信頼関係が必要でどれ1つ欠けても患者に適切な医療を届けることはできません。
しかし、その信頼関係というのは一朝一夕で築けるものではありません。長い年月をかけて築かれていくものです。信頼関係を築いていくときに重要なことはなんでしょうか?色々と状況が違えば意見は色々あるでしょうが、1つ共通することは撮影現場に垣間見た「相手(の職種)を尊重する」ことだと思います。お互い意見が合っているときはうまくいっていると感じますが、ひとたび意見が食い違うと離れてしまうのでは信頼関係とは言えません。意見が食い違ったときこそ相手を尊重して「お互い納得できる着地点」を探す努力が双方に必要です。相手の意見を跳ね除けて口を閉じることは簡単です。しかしそこに未来はありません。着地点を探す努力を双方が始めたとき、それは信頼関係を築く大きな一歩を歩んだと言っていいでしょう。撮影現場にはそれがありました。医療や教育現場でもそうありたいですね。
自戒の意を込めて。 -
自分を変えたい時にあなたは何をしますか?
2021/09/14「自分を変えたい」。誰しもそんなことを思ったことが一度はあるのではないでしょうか?皆さんはそんな時に何をしますか?
私の好きな言葉に「自分を変えたければ、時間と場所と人を変えろ」という言葉があります。
そしてこの言葉には続きがあります。
「自分を変えたければ、時間と場所と人を変えろ。もっとも意味がないのは“明日から頑張ろう”と思うことだ。」
私は20代のころ仕事や何かがうまく行かない時、“明日からもっとやろう”“もっと頑張ろう”と思って自分を奮い立たせることがありました。しかし状況は何も変わりません。
この言葉は皆さんをとても気楽にしてくれます。意気込む必要はないのです。自分を責める必要もないのです。変わりたかったら、いつもと違う時間に、いつもと違う場所で、いつもと違う人と話してみてください。きっと自分が変わるきっかけがそこにはあります。
これは自分だけでなく他人を変えたい時、世の中を変えたい時にも通用すると思います。私は総じてこれを「何かを変えたければ環境を変えろ」と意訳して座右の銘にしています。
ぜひ皆さんも自分を変えたい時、何かを変えたい時、この言葉を思い出して環境を変えてみてください。 -
病気の第一発見者
2021/05/19ーーー病院で診察を受ける時、目の前のお医者さんが全ての病気を診断し治療してくれるものだとあなたは思っていませんか? 知っていますか? 皆さんのよく知るあの診察室とは別の場所に直接見ることができない身体の中を写し、病気を見つけるスペシャリスト達がいることをーーー(漫画「ラジエーションハウス」より一部改抜粋」)
“診療放射線技師"は“診察した医師(主治医)"からの依頼に基づきレントゲン・CT・MRI・超音波などを駆使して写真を撮ります。撮られた画像は“放射線科医"に送られて読影されて主治医に伝えられます。だから診療放射線技師は放射線科医が読みやすい画像を撮らなければいけません。でもいつも病気が写るとは限りません。病気が写っていない時、本当に病気が無いのでしょうか?それとも写せてないのでしょうか? 見つけようとする姿勢こそが、診療放射線技師に一番大切な資質です。病気の第一発見者になることこそが放射線科医に最高のバトンを渡せることであり患者さんへの貢献です。でも患者さんは主治医に感謝することはあっても技師に感謝することはありません。陰ながら誰かの役に立つことに誇りを持ち、縁の下で支えることに喜びを感じる。そんなこの職業を広めたい、その想いから漫画ラジエーションハウスは始まりました(ラジエーションハウスの起源はこちら→https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/41/02.html)
まだ見ぬ未来の患者の病気の第一発見者になるのはあなたかも知れません。放射線に深いつながりのあるこの福島の地で一緒に縁の下のスペシャリストを目指しましょう!