教員からのメッセージ
放射線撮影技術学、災害医療
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逃がせ!助けろ!脱がせ!治せ!
2024/08/21先日、福島県で行われたCBRNE研修にスタッフとして参加し、多数傷病者への対応について研修を行いました。CBRNEとは、化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性(Radiological)、核(Nuclear)、および爆発物(Explosive)を指し、これらが関与するテロや事故に備えるための研修です。タイトルは、CBRNE研修で指導される対応に関する一貫したコンセプトです。研修では、突発的な事故や災害によって多数の傷病者が発生した際、どのように迅速かつ効果的に対応するかを重点的に学びました。
CBRNEというとテロによるものを思い浮かべがちですが、実際には化学薬品を扱う工場の事故など、私たちの身近でも起こり得る現実の脅威です。こうした事態に備えるためには、日頃からの準備が不可欠であり、訓練や情報共有の重要性を痛感しました。CBRNEの脅威は目に見えないものが多いですが、放射線は計測器を正しく使うことで、その量を測定することが可能です。この点では、対応がしやすい部分もあります。
研修を通じて、多数傷病者への対応では、瞬時の判断と協力が鍵を握ることを学びました。混乱した状況の中で適切な指示を出し、限られた資源を最大限に活用するためには、事前の訓練と準備が不可欠です。
CBRNE研修は、私たちが予期せぬ事態に対してどのように備え、どのように行動すべきかを具体的に学べる貴重な機会でした。今後も安全を守るための知識と意識を高めていく必要があると強く感じています。 -
診療放射線技師の業務拡大
2023/06/152021年5月21日に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」が成立しました。これには診療放射線技師法の改正も含まれており上記法律案の成立により、2021年10月1日より新たな診療放射線技師法が施行されました。
この診療放射線技師法の改正により拡大された業務範囲がいくつかあります。全てを紹介することは出来ませんが、最も大きな変更点は、検査のための静脈路を確保する行為が可能となった点です。
CTやMRIで造影剤を注入しながら行う検査があります。これまでは、医師や看護師が静脈路の確保を行っていました。診療放射線技師の業務拡大により、「静脈路確保→造影剤の注入→撮像→抜針→止血」という一連の流れを診療放射線技師が行うことが可能となりました。
しかし、拡大された業務をすぐさま行うことができる訳ではありません。拡大された業務を行うための要件として、都道府県が行う告示研修を受講することが定められています。この告示研修は、基礎研修と実技研修で構成されており、全研修の指定最低時間は約18時間となっています。という事で、診療放射線技師免許を取得している方々は、この拡大された業務を行うために、約18時間の告示研修を受講するように現在励んでいます。移行期のため実際に静脈路を確保している診療放射線技師は、まだ少ないですが今後は増えてくると思います。
診療放射線技師は、画像検査や放射線治療を専門に行う仕事というイメージが強いと思いますが、今後そのイメージも少し変わってくるかもしれません。 -
それぞれの願い
2022/03/16コロナ禍の折、実家への帰省もままならなくなってしまいました。しかし年末年始は状況が著しく落ち着いていた事もあり、2年ぶり?の帰省が出来ました。実家近くの神社は、絵馬ならぬ絵ホタテがあり、ホタテの貝殻に祈願するという港町ならではの趣向が凝らされています。娘は、「えい語のテストをがんばりたい」と書きました。古い写真を見ると前回は、「プリキュアみたくかわいくつよくなりたい」と書いたようで、月日の経過を強く感じます。前回私は、「やせますように」と書いたようです。2年経っても変わらない姿(むしろ悪化している)に、猛省するとともに新年から自分を見つめ直すことを誓いました。
2022年3月現在、新型コロナウイルス感染症 「第6波」はピークを越した感がありますが、新規感染者数の減少速度は鈍化傾向です。まだまだ先行き不透明な状況ですが、できることを粛々と行うことしかありません。2019年12月初旬に1例目の新型コロナウイルス感染症が報告されてから2年以上経ちます。「新しい生活様式」が普通になりつつありますが、それに慣れるのが寂しくもあります。本年絵ホタテには、「疾病退散」と力強く書きました。 -
報恩謝徳
2021/03/172021年3月11日で、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から10年を迎えます。地震や津波により被害に合われた方々、原子力発電所事故により避難を余儀なくされた方々など多くいらっしゃいます。しかし人類は今までも数々の苦難に遭遇しながら、そのたびにそれらを乗り越え力強く立ち上がってきました。
来年度入学する学生の多くは、当時小学生の低学年であり様々な理由により学びの場や交流の場を奪われました。また昨今のコロナ禍においても、不自由な生活を強いられてきました。しかしそれらを乗り越えて来た学生達は、きっと強さや逞しさ、そして優しさを備えていると思います。
本学科では、診療放射線技師に必要な専門分野の他、災害医療についても学習することが可能です。皆様と一緒に何が出来るか考えて行きたいと思います。
写真は、ボランティアの皆様が津波被害にあった地域の作業をした成果です。受けた恩や恵みに感謝したいです。 -
自分のなりたい職業とは
2020/11/18中学2年生の頃だったでしょうか、授業の中で自分のなりたい職業を書く課題がありました。それまで何かにつけてプロ野球選手になりたいと言ってきましたが、現実を見直す良い機会となり、自分の将来について考えることになりました。父親が買ってくれた職業図鑑のような本を見ながら、家族に色々相談したのを覚えています。実は、その時になりたい職業として記載したのが、診療放射線技師です。何かにつけて飽きっぽい性分の私ですが、14歳で診療放射線技師を志し、診療放射線技師として病院で勤務し、現在その教育に携われることは感慨深いことであります。皆さんのなりたい職業とは何でしょうか?もし診療放射線技師に興味を持って下さる方がいれば、診療放射線科学科にぜひともご相談下さい!
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真実をつかみ撮れ
2020/09/02タイトルは、昨年ドラマ化されたラジエーションハウスのキャッチコピーから拝借しました。診療放射線技師は、X線を利用した一般撮影装置やCT装置、磁場と電波を利用したMR装置などを操作し撮影を行います。目では見ることが出来ない物理現象を利用し、体に起こっている真実をつかみ撮り、診断に役立つ画像を提供します。放射線科学を通じて、医療に貢献することに興味がある皆さん待っています!(写真は放射線科学とは離れますが、令和2年7月豪雨での支援活動風景です。)