教員からのメッセージ
脳卒中リハビリテーション、作業時の心血管反応、脳卒中患者の機能予後・生活活動、等
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研究マインド
2024/10/16私の卒業研究ゼミでは「地域在住高齢者における手指機能と生活機能に関する研究」に取り組んでおります。この研究は福島県内3か所で行っている生活機能測定会のデータを活用し、主に高齢者の手指機能と生活機能との関連について検討しています。ゼミ学生である4年生2名は昨年度から私の研究室に入り、これまで、関連テーマの文献抄読をはじめ、現地での検査測定、そして仮説検証のためのデータ解析など、春季および夏季休暇中も含め取り組んできました。現在は10月下旬に行われる学会に向けて発表の準備中です。
作業療法学科1期生である4年生は、来春に卒業、就職となります.この卒業研究を通して身につけた研究マインドを持って、臨床現場で大いに活躍して欲しいと願っております。 -
桃
2023/07/12私は無類の桃好きで、この時期になると休日は桃を求めて果樹園へよく通います。
福島県の桃の生産量は全国の約20%(第2位)を占め、その品種も多く、7月から9月まで様々な美味を楽しむことができます。また、福島の桃は「硬い」ということも特徴です。桃の甘さもさることながら、その色合い、香り、形、重さ、質感など、NHK連続テレビ小説「らんまん」の万太郎のごとく、私は桃の魅力に心を奪われます。
因みに、作業療法学科のカラーは桃色です。
さあ、今年も桃のシーズン到来です。元気に夏を楽しみましょう! -
作業療法と心理学、教育学
2022/05/11私は高校1年生の頃、人文科学系や教育系への進学を志望していました。しかし、部活動の怪我をきっかけに作業療法を受け、その後この道に変更しました。実は、作業療法の実践では、心理学と教育学などの知識が深く関係します。作業療法は対象者が望む作業や生活行為が可能となるよう支援する仕事であり、人への理解が必須です。人体の構造や機能は勿論のこと、「こころ」を理解することが求められます。作業療法士は対象となる方が何を思い、どのような悩みや苦しみを抱えているのかを知り、今後の生活をどのように過ごしていくのかを、その方と共に考え、支援します。この過程において心理学や教育学的視点が大変重要です。
作業療法学は応用科学であることから、関連する学問は多く、心理学や教育学もその一つです。私は作業療法という道を進むなかで、高校生の頃に志望していた学問と巡り会えました。これは偶然であり必然です。人を対象とする学問は非常に幅広く、奥深いものです。
写真:南相馬市の方から頂いた草履のストラップ
大切に使っています -
作業療法学科の学生たち
2021/10/13本学は後期授業が始まりました。学生は4月の入学以降、慣れない大学生活に加え、新型コロナウイルス感染症への対策等、日々よく取り組んできました。新型コロナウイルス感染症への対応は今後も続きますが、withコロナの環境下でも柔軟に適応し、学生生活をenjoyして欲しいと願っております。
実は、作業療法学科の学生はこの9月に学外での臨床実習を経験しました。作業療法学科では、学生がより高い意欲と目標をもって学業に取り組むことを重視し、1年生の前期から基礎系の作業療法専門科目を3科目開講し、9月には学外での臨床実習を実施いたします。この臨床実習ではコロナ禍にもかかわらず、福島県内の実習施設のご協力のもと、学生は大変貴重な経験を積むことができました。社会で求められる作業療法士の働く現場を体感した学生は、この仕事の楽しさや面白さだけではなく、難しさや厳しさを、そして自身の課題をも学びました。
様々な制約の中でも学生たちは一歩ずつ前進しています。逆境をチャンスに変える学生たちにエールを送ります。 -
作業と手、感覚
2021/01/13手を見ると、この人はどんな仕事や生活をしてきたのかを凡そ推測することができます。それほど日々の生活の様々な作業に深く関与する我々の手は、実に多様で且つ巧妙に動きます。それを可能にしているのが手の感覚機能の働きです。
例えばペンで字を書く場合、我々は主に親指や人差し指、中指のペンに直接触れる部分の感覚を頼りにペンを動かします。このペンに触れる指先の感覚が鈍い場合、どの程度の力を入れてよいか分からず、結果として字がうまく書けないといったことが生じます。このように作業と感覚機能は密接に関係しており、作業療法士は解剖学や生理学などの基礎医学の視点で作業を理解することも求められます。
ところで、あるperfumeの香りが以前の恋人との思い出(?)を呼び起こすというフレーズを昨年よく耳にしました。そう、嗅覚も我々の作業に関係する興味深い感覚機能です。 -
私の大切な作業
2020/10/07作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われます。ここで言う作業とは、食事や着替えなどの日々の生活に関する活動、掃除や調理などの家事、そして仕事、趣味、遊び、人との交流、休養など、人が営む生活行為を意味します。皆さん気づきましたか。休養も作業なのです。
私は休日に、天候の具合を見てよく散歩に出かけます。これは積極的な休養であり、まさにウォーキング、有酸素運動なのですが、単なる運動とは異なります。私の好きな場所で、季節の変化を感じながら、時には立ち止まって空想し、ゆっくりとその時間を楽しみます。この散歩を通して心身のストレスを調整し、平日の仕事に気持ちよく臨むことができます。こんな休日の散歩は、私にとって大切な作業です。
四季折々の自然が豊かな福島は本当に良いところですよ!
写真:あづま総合運動公園 -
作業療法へのいざない
2020/08/12私は作業療法士です。これまで身体障害領域の作業療法、特に脳血管障害の作業療法を専門として、教育、研究、そして臨床に関わってきました。現在はがんの作業療法に関する研究にも取り組んでおります。福島医大の作業療法学科の教員は各専門領域で多方面において活躍し、とても魅力ある方ばかりです。我々は患者さんの生活支援のほか、地域住民の健康支援にも貢献できる作業療法士を養成します。さらに、新たな作業療法学を構築すべく、工学や情報科学などの他分野との連携を促進し、IoTやAI等を活用した研究を推進させます。作業療法って、まだ知られていないことが多いのですが、実は、結構面白いですよ!