教員からのメッセージ
心臓リハビリテーション、整形外科領域作業療法(ハンドセラピィ、肩関節、股関節)、心理・QOL
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思い出 その1
2024/05/08新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
皆さんには、大学生になったらやってみたかったことはありますか?ぜひ大学生にしかできないことを沢山楽しんでください。
私は大学2年生の時、自転車で旅に出たことがあります。何をきっかけに興味を持ったかは全く覚えていないのですが、アルバイトで少しまとまったお金が入ったのでちょっといい自転車を買い、旅にでる装備を買い集め青森を出発しました。福島まで来て、福島駅の西口にある大型店のフードコートでメロンソフトを食べ、当時駅に隣接していたスーパー銭湯に入ったのは覚えていますが、福島で泊まったキャンプ場が思い出せず、それだけ今でももやもやしています。高速道路の高架が近くに見えたような覚えがありますが、このヒントで思い当たる場所を知っている人がいたら教えてください。
どんなことでも、ふと思い立ってやってみようとできるのも大学生の特権かもしれません。勉強も頑張りつつ、今しかできないことも楽しんで充実した大学生活が送れることを願っています。
写真は仙台に着くまでに日に焼けすぎた私です。 -
私にとっては大切なもの
2023/03/09私の好きな食べ物の一つにラーメンがあります。実はそれと同じかそれ以上にインスタントラーメンが好きです。“ラーメン”とは全く別の料理として楽しんでおりますので、いわゆる生タイプのものよりも、THEインスタントって感じの製品をよく買っています。
とくにプライベートブランドのインスタントラーメンは比較的安価な製品でありながら、私の求める麺そのものであり、みなさんにもお勧めします。同じ会社のものでも価格帯によって、麺ののど越しやスープの香りが違い、なかなか奥が深いのです。胡椒を多めに入れてみたり、茹で時間を短くして芯を少し残すくらいにしてみたりしますと、また違った香りや触感を楽しめます。これから趣味として初めてみたい方は、まずは厳密に裏面の作り方に従って作り、基本を楽しむことを、お勧めします。
こんな風に、何かに対する熱意は人によって様々です。食べたり着替えたりお風呂に入ったりは、生活する上で皆がやっていることだと思いますが、すべての人が同じ方法で、同じ力加減で、同じ熱意でやっているかといえばそうではありません。
作業療法士が対象者の方を支援するときには、ただその生活行為ができるようになるだけではなく、どんな風に、それをできるようになりたいのか、“その人にとってそれがどういう価値を持つものか”を大切にします。興味があったら是非、この仕事を調べてみてください。 -
便利な道具の活用
2022/03/09最近はスマートスピーカーや家電リモコンなどのIoT機器が一般的に使用されてきており、体が不自由な人でも、自分のやりたいときに自分のやりたいことができる環境を作れるようになってきています。
しかしこの便利な道具にも弱点はあります。例えばスマートスピーカーを利用するためにはスマホの操作や音声による操作が必要です。指をうまく動かせない人、声を出しにくい人には適しているでしょうか?インターネット環境は十分でしょうか?停電し復旧した後に再設定してくれる人はいるでしょうか?
作業療法では、日常生活に何らかの支障を来たしている方に対して、自助具などの便利な道具の紹介をし、その使用練習を行うことがあります。最新機器はとても便利なものですが、その人の状況や環境によっては、別の道具と組み合わせて使用することもありますし、既存の道具のほうが適している場合も多々あります。
作業療法士は、人体の仕組みや病気の知識、障がいについての知識をつけるだけではなく、道具がどんな特徴を持っていて、どんな人的、物的環境で利用するのかを理解する必要があります。そして、最新の技術も既存の技術もなんでも使って、それらをどのように組み合わせれば、課題を解決し、対象者の望む目標を達成できるのかを検討していきます。
興味を持った人はいませんか?一緒に考えてみませんか?お待ちしております!
写真は実習室の照明操作をIoT機器と3Dプリンターの組み合わせで解決した例です。広い部屋ですので4つのスイッチがありますが、IoT機器を4つもつけるスペースはありません。他の作業療法学科教員と協力して3Dプリンターを活用し、一つのIoT機器で4つのスイッチを押す方法を考えました。 -
今日までのことを明日のために
2021/03/17皆さんは受験真っ只中でしょうか。私は現役で作業療法士になったわけではありません。数年浪人して大学に入学し、電気電子工学を3年生まで学び、中退。その後作業療法士を養成する大学に再入学して国家試験に合格し、今に至ります。その時その時で、楽しかったり、辛かったり色々ありましたが、色んな経験ができてよかったなと思っています。
作業療法では、人のそれぞれの生活を支援していきます。あなたが何かをした経験、何かをしなかった経験、何かを経験しないでそれをした経験、その組み合わせに同じものはなく、成功も失敗もその全てがあなたにしか体験できなかったことだと思います。ぜひそこから何かヒントを得て、誰かが抱える困難の解決のために役立ててください。それができるやりがいのある職業だと思います! -
頑張るために大切なこと
2020/11/18著名な心理学者であるBandura博士が提唱した概念に自己効力感というものがあります。人がある目標に向かって行動をするには、それが“自分に出来そうだ”とか、“これをすれば出来そうだ”といった予期が必要で、それをどの程度持っているかを表すものです。
病気やけがをした患者さんが病院での治療を終えたとき、気力・体力の低下や新たな障害を抱えたことにより、以前のようには生活できないと感じる人も少なくありません。そのような方が、再び目標に向かって進んでいくためにもこの概念は大切です。患者さんの生活を実際に想定した生活動作や、趣味活動再開に向けた練習は、“できそうだ”という感覚を持つきっかけになるかもしれません。患者さんと目標を共有し、そのために何をするかを一緒に考えることは、“これをすれば出来そうだ”という感覚を持つきっかけになるかもしれません。皆さんは今まさに目標に向かって努力している最中かと思います。その原動力は何ですか?どんな思いで頑張っていますか?良い結果が出るよう祈っています。 -
やりがいと面白さの作業療法
2020/09/02私は北海道出身で、2018年4月から医大で働いています。作業療法士は人々の「作業」に焦点を当てた治療や援助を行う仕事です。大切に思っていることや、やりたいことについて、”思いついて”、“計画して”、“実行できる”ようになる、その人らしい生活を送れるよう援助する仕事です。けがや病気をしたとしても、どうすれば今までのように暮らせるのか、どうすればもっと楽しく生活できるのか。作業療法学を一緒に追いかけてみませんか?
そして最近は、IoT機器のようなガジェットにも興味を持っています。生活に便利な道具をどう活用するかを考えるのも大切な仕事です。ぜひ皆さんと一緒に楽しみながら考えていきたいなと思っています!