理学療法学科の森下慎一郎教授(責任著者)、作業療法学科の藤田貴昭准教授らの研究論文が「Integrative Cancer Therapies」に掲載されました。
論文タイトル:「Impact of Sarcopenia on Outcome of Exercise Therapy in Older NonHodgkin Lymphoma Patients. (高齢非ホジキンリンパ腫患者の運動療法に対するサルコペニアの影響)」
【論文概要】
 本研究は、入院化学療法を受けている高齢の非ホジキンリンパ腫患者において、サルコペニアの有無による違いも含めて、運動療法が身体機能と生活の質(QOL)に及ぼす影響を調査することである。70歳以上の入院患者31名が本研究に参加した。握力と膝伸展筋力、6分間歩行試験、体組成、栄養状態、疲労、入院時と退院時の健康関連QOLを比較した。全体として、握力と骨格筋量は入院時よりも退院時に有意に低下した(P < 0.05)。しかし、QOLは有意に改善した(P < 0.05)。非サルコペニア群では、握力、右膝伸展筋力、骨格筋量のすべてが入院時よりも退院時に有意に低下した(P < 0.05)。しかし、サルコペニア群ではこのようなことはなかった。QOLに関しては、非サルコペニア群とサルコペニア群で異なる項目で改善が観察された。左握力、右膝伸展筋力、QOLに関しては、入院から退院までの期間とサルコペニアとの間に有意な交互作用がみられた。運動療法は、入院化学療法を受けている高齢の非ホジキンリンパ腫患者のQOL改善に有効である。しかし、運動療法の効果や最適な運動負荷は、非サルコペニア患者とサルコペニア患者で異なる可能性がある。

URL:https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/15347354231210775